2012年12月1日土曜日

土壁塗りその後

おっと!もうすでに11月も終わりになりつつあります。

しかし、時の経つのは本当に速いですねー。もう年の瀬になっているとは。
相変わらずこんな様な事を書いているとジジくさく思われるでしょうが、事実だから仕方が無いですわ。居直らせて頂きます!

そんなわけで、11/5から始まった土壁塗り作業、その後約一週間の事を適当にかいつまんでお知らせしたいと思います。

さて、二日間の土壁塗りまつりが終わった後は、我々家族だけで残りを
仕上げることになります。取り敢えずは土に水や藁を入れてひたすら
足で踏んづけて練り上げる作業です。
みんなでワイワイと作業していた時と同じ事をやっているはずなのですが、何だか寂しいんですね〜。

♪近頃、なんだか、寂しいんだ〜  

と、内田裕也が若い頃、今よりももっとずっと若い頃、ビートルズのHELP!を日本語で歌っていたのを思い出しながらの地味な作業です。

(YouTubeで確認してみたら、UPされていました!歌詞は僕の思い違いでしたが…http://www.youtube.com/watch?v=5-_t15esm68 )

みんなでやっていた時は土の采配に明け暮れていましたが、
静寂の空間でじっくりと壁塗りに取り組んでおります。
初日に塗ったばかりの外壁がだいぶ乾いて来ています
いい感じでクラックが入り始めています。このひび割れの隙間に
その後に塗る中塗り土が食い込んで、強い壁になるのです。
二階から見た土こね作業中の仁和子
夫婦ふたりで作業を続けていると学校から帰ったミドちゃんが静まり返った現場を見て

「なんか、悲しい…」


そんな感じで寂しく二三日作業していましたところ、ふらりと陶芸家のあずうちゃんが手伝いに現れました。
一人でも助っ人が入るとずいぶんはかどります。
みんなで始めてから、約一週間で全ての壁を塗り終えました。
そしてやっと終わったか…と思ったのもつかの間、いろんな所にへばりついた泥の掃除が。

コンクリートスラブにも泥が一面にこびりついてしまい、
まるで三和土の様になっていました。

ボタッと落ちた泥の固まりは又使えるので回収します。
トイレの壁の中には電線がいっぱいでです。
この裏側に配電盤が取り付く予定。
掃除までいれると約10日かかりました。
正直言って、本当につかれました。

今は本業の家具製作に復帰しており、自宅建設の方はしばらくストップしたままです。


2012年11月21日水曜日

さて、土壁塗り大会の二日目です。

初日は素晴らしくよい天気だったのですが、予報どおりこの日は朝から小雨が…。

渋々現場に着いてみると、ボランティアメンバーの数もぐっと少なくなり、ツナ君とムク君、ほどなくしてあづうちゃんがやって来たあたりで雨も本降りになってきました!

しかたがないので、腐った材木とブルーシートで即席タープを作り、その下での土こね作業に取りかかりましたが、

(こんな雨だと、みんな来てくれないのかもな…)

昨日の楽しかった思い出が走馬灯のように思い出されながらも、シミジミと作業を続けて行く内、だんだんとメンバーも増えてきました。
ブルーシートのタープ。時々突風が吹いて来て倒れたりしましたが。
泰阜村からは宮島さん、彼は三年程前に自宅を徹底した伝統工法でセルフビルドしました。もちろん土壁です。

初日も来てくれた高木さん、わいまつ大棟梁。

中川村の藤井さん、彼の本職はどうやら大工さんのようですが、冬場は村の地酒「今錦」の杜氏に変身します。

その藤井さんの奥さん、もえちゃん。この方は現在は主婦ですが、元左官職人です。上手いです。頼りになります。

駒ケ根からは夏秋さん、彼は鍵盤ハーモニカ奏者でプロミュージシャンです。楽器を持ってスタンディングで弾くのですが、両手を使って(つまり左手は逆側から押さえる)循環呼吸法で延々と吹くことができるという、ユニークすぎる才人です。

はるばる長野市からは建築設計士の牧野さん、この女性は私の顧客様でもあります。

お昼までには以上のメンバーが現れ、天気も又奇跡的に回復してタープは必要なくなってしまいました。


「天は我々を見放していなかったか!!」


といった様な気分です。

滑車を使って土の入ったバケツを二階へ。藤井夫妻です。


ケラバの内側、梁の上に乗って頑張っているのは、陶芸家のあづうこと小林あづささん

私はもっぱら泥んこ奉行として土の中に君臨しておりました。

お昼を過ぎて間もなく、誰かが現れたなと思ったら、高森町から木下さんが助っ人に。
彼も土壁の家を作った経験者です。頼りになります。

木下さんと宮島さん。どちらも自分で塗った土壁の家に住んでいます。
うちのワイフも満を持して塗り始めました。
牧野さんも玄関の狭いスペースを黙々と塗っています。
ムク君はこんな炉端棒みたいな物で高いところにいる人たちに泥を配っています。

ツナ、ムクのコンビが泥まみれハイになっています。
では最後に藤井もえちゃんの華麗なるコテさばきをご覧頂きましょう。
勝手にUPしてゴメンネ!

二日目は内壁の二階すべてと一階の2/3 ?いや3/5もしくは6/11くらいできたと思います。

これで一応、大土壁塗り大会は終了して、残りは我々家族だけで塗ることになりました。
出来るだけ速く塗り終えてしまわないと凍結が心配です。
なかなか体を休めるわけには行きません。

2012年11月19日月曜日

土壁塗り

きょうはもう11/18になっております。

時の経つのは速いです。前回ブログで予告しておりましたように11/5,6とで土壁塗り大会を行ったのですが、塗り残した壁を家族だけで塗ったり、後片付けをしたりで、結局都合十日間くらいはかかってしまいました。
家族全員ヘトヘトになりました。

こんなにハードに働いた事は未だかつて無かったかもしれません。
(とは言っても、滅茶苦茶働いた時はいつもこんなことを言っている様な気がしますが)


では先ず、第一日目から…

娘のミドちゃんが自分の部屋の外壁を塗っています
私の家族はもちろんの事、工房わいまつの全面的ご協力によりあっという間にボランティアメンバーが揃いました。
どちらも平日だと言うのに皆様に快くご協力いただいて本当に助かりました。

初日のメンバーは、わいまつ大棟梁とその一味ツナ君、伊那からは石のアーティスト、シンペイさんとその弟子マキちゃん、大鹿村からは赤ちゃんをおんぶした香糸ちゃんとシゲさん、商売敵にして良き隣人の高木さん、アフリカンドラムのサブニュマ軍団からはムク君、そして松川町からは陶芸家のあづうさんです。

作業工程としては、まず泥コンに水を適量加えて、ちょうど良い柔らかさになるまでひたすら練ります。
加えて、以前隣家の土蔵を修理した時に出た荒土を頂いていたので、この土もミックスします。これは中塗り土や漆喰等の層もごちゃ混ぜになっているのであまり粘り気が無く、二対一くらいで少なめに混ぜ、室内側に塗ることにしました。

土を練る作業は長靴を履いてひたすら踏みつけ、水を加えては踏みつけ、
藁を加えては踏みつけ…、果てしない作業ですが、
だんだんと意地になってやめられなくなります。
当初は気候的にだいぶ寒くなったので、もう外壁に塗るのは来年の春にして、今回は内側だけにしようか?と本当に寸前まで考えていたのですが、何かの啓示か外も一気に全部やってしまおうと言うことになりました。

結果的にはこの週から奇跡的に気温が又上昇してしばらく温かい日々が続いたので大正解でした。

そんなわけで、少しでも速く乾かした方が良いと判断して、外壁を最初に塗りました。

外壁は大壁と言う、柱の表面も塗ってしまうやり方です。このとき問題は
各コーナーのところで割れた時に剥離しやすいと言う事です。
それを避けるため縄編み等をタッカーで打ち付けて、その上から一緒に土を塗り込めます。

赤ちゃんも背中で応援しています。そう言えば昔のカントリースターで
バック・オ−ウェンスと言う人がいましたね。
高所は土を配る人と塗る人のタッグで作業した方が別々に
作業するよりずいぶん速く出来ると思います。
昼食は二種類のカレー。こんな時の定番です。
力仕事の後にみんなで食べるメシは最高に美味いです!
ミドちゃんが撮った動画をupしてみました。
ぬかるみの世界をお楽しみください。


一日目の最後はわいまつ氏のピースサインできまり。
一日目は二階の全ての外壁と二階の内壁三分の一くらい塗ることができました。
天気も良く、熱くも無く寒くも無くでいい感じに作業する事ができました。
Thanks God.


2012年11月4日日曜日

木ずり打ち付け、そして荒土の仕入れ

さて、昨日の続きです。

木ずりの打付けですが、一番の難関はやはり通称「ケラバ」と呼ばれる三角屋根のあたりです。

渡りアゴで飛び出ている小屋梁や火打梁の先端が邪魔くさいし、とにかく木ずりの長さも一本ずつ現物にあたって切らないといけません。

これは助手を使って作業するしか無いな、ということでワイフの登場です。

二階の窓から桟を供給してもらって足場の上で長さ切りして、取り付け。
毎日のように高いところに上っていると、恐怖心もだんだん麻痺して来ますが、一番上の足場は、やっぱりちょっと怖いです。

天窓の開口を利用して、桟の長さ切りです。
不用意に立ち上がると頭をぶつけてしまうので要注意です。
ショックでバランスを失い、地獄に真っ逆さま!かもしれません。

さて、木ずりを全部打ち付けたら今度は壁土の準備です。

藁を泥に入れて発酵させ、コンディションも整ったいわゆる「泥コン」が大量に必要ですが、これは飯田市山本にある城山建材さんで購入します。

それと去年お隣さんの土蔵を修理した時に、余って出た荒土を頂いたものがあるのでミックスして使おうかと思います。

大量に水と藁を投入して、ねりねりします。

この作業はバックホー等の重機があればよいのですが、うまく調達できなかったので人力でやることにします。しんどいけど、やっているうちにムキになって来てなかなかやめられません!
まさに農耕民族のDNA。面白くもないのにやめられないようにプログラミングされているようです。

ぬかるみの世界です。
そしてついに11月になってしまったところで、泥コンを受け取りに行きました。
配達もして頂けるとの事ですが、料金のことを計算すれば自分でダンプカーを借りて行った方が良さそうです。
そのダンプのレンタルも又、なかなか空きがなく困っていた所、村内の与根山建設さんに快く提供して頂きました。Thanks Godであります。

建材屋さんでネチャネチャになった泥コンを2tトラックのあおりに擦り切り
一杯分ずつ積んで運びます。
ダンプカーも初めて扱いましたが、なかなか面白いです。
アオリの内側にこびりついた泥が簡単には落ちてくれません。
総量にして2tダンプ三倍分。つまり朝から三往復しましたので無事終了した時は夜になっていました。

これでほぼ壁塗りの準備は整いました。後は天気と気温が都合良くいってくれることを願うだけです。

11月5日から塗り壁を始めます。 wakuwaku~

2012年11月3日土曜日

畳取り付け、外壁板張り

いや〜、すっかり寒くなってしまいました。

果たして、このままでは壁塗りが出来るのかと、一抹の不安がよぎりますがもう後には引けません!
この調子でドンドン寒くなっても、まだ凍結にまでは至らないでしょう。

そんなわけで、急ピッチで畳の取り付けと木ずりの打ち付けを強行します!

前回のブログではほとんど出来ているみたいでしたが、
実は反対側の東面、まだこんな状態でした。材木が足りなくなりまして…。
北島画伯は仕事で来れなくなりましたが、ピッチを落とすわけには行きません。

古畳は表面のい草部分を取り外して使います。

藁床の畳は約30kgあります。これを足場の上に立って取り付けるのが
結構しんどい作業です。
畳を張る合間に、気になっていた窓の庇の板金加工をしました。
さて、どうしようかなと思っていたら、隣家のご主人がやり方を教えてくれました。
(元板金職人の屋根やさんなのです)



板金加工はちょっと畑違いな作業なので億劫でしたが、やってみたら意外に簡単でした。
何にせよ、色々と体験するのは面白いです。

外壁角面の処理です。ほんのちょっと足りない所をごまかしています。

材木も入荷してやっとこの面も仕上がりました。
まだ借り止めですが…

板と板の間に張る桟の取り付けですが、ミドちゃんが
頑張っています。なかなか役に立っています。
畳の取り付けがやっと終わった所で今度は木ずりを打ち付けます。

例によって、タッカーでバンバンとこなします。

木ずりの横ストライプが今風のルーバー仕上げ的な味になっています



後もうちょっとで荒土を塗れる状態になりそうです。
続きは又明日。

2012年10月27日土曜日

東側外壁張り、そして畳取り付け!

お久しぶりです!

しかし…、このブログっちゅうもんは何かリズムに乗って書いてしまわないとダメですナ。
一旦間が空いてしまうと、どうにも億劫になってしまって。

いや、作業しながらでも
(これはちょっと面白い仕事やな…)
と思いながら、色々と文章を書いている状態をシミュレートしている自分が居るのですが、一日の仕事が終わって家に帰ると何故か完全にモードが切り替わってブログのことなど忘れているのです。

そうこうする内に実際問題、いろいろと工事が進んでおりまして、来月初めあたりにはいよいよ土壁塗りを決行する計画になっております!!

そんなここ数日間の作業工程を幾分早足でお知らせしようではありませんか!


先ずは前回の続きですが、外壁板を貼り終えてそれぞれの間に桟を打ち付けました。
上の方には古ダタミを少しずつ取り付けています。

ついに外壁二階の部分にも古畳を取り付けだしました。
折れ置き組と言う工法ならではの梁の先端が四寸ばかり飛び出ているおかげで、畳の切り欠きが多くて実に面倒でした。
もっと早くに出来ると思っていましたが、随分甘く見ていたようです。

一番上の足場に立って作業しますが、けっこう怖いです。
てっぺんは地面から約7mの高さです。

地面はこんな感じで見えております。
手すりも無くてヤバいです。

こんな調子じゃ今年の内に土を塗るのはちょっと無理っぽいな。
と思っていた所に助っ人が参上しました!

助っ人と言うのは中川村アトリエ開放展でもお世話になっている画家の北島遊さんです。
彼はつい最近まで東京に在住で、ウエブデザイナーをしながら絵画作品を制作していたのですが、このたびめでたく中川村に帰ってきました。

これからは農業をしながら芸術の方に勤しむとのことですが、まずは自分のアトリエを作る計画があります。

「それなら、お互いに作業を手伝いあおうぜ、ヨロシク!」
と先日会った時、世間話的に言っていたのですが、忘れた頃に天才はやってきました。

これで大幅にスピードアップすることでしょう。

北島遊氏に畳のサイズカットをしてもらっている間に下地の調整を済ませて取り付け。
その間にも続々と畳はカットされて行きます。いい感じの流れです。




ずいぶん家らしくなってきましたね〜!
まだまだありますが、今日はこれにて。